昨日の写真の中に私か夫かどちらが撮ったのかはっきりしない風景が2枚ある。構図からして、私は「私が撮った。」と思うのだけれど、ありがちな写真なのではっきり覚えていない。夫はその2枚がお気に入りらしく、自分が撮ったとの確信を得たいようだ。「オレが撮ったんだよね?」と、昨日から今朝まで何回も聞く。

 何度聞かれても「はっきり覚えていない。」としか答えようがない。夫はいつもと違って、とてもしつこい。放っておけないので、セザンヌの画集を取り出し、自分が大学で習ったことをそのまま掻い摘んで話す。夫というのは世界で2番目に教えにくい人だと思うが、「オレは撮ってない。」との結論に至ったようでほっとする。