まったく知らなかったのだけれども、オペラにもシーズンがあるそうなんである。オペラ・シーズンによれば、「メトロポリタン歌劇場は9月半ばにスタートし、4月いっぱいで終了する。」ものなんだそうだ。WOWOWではこの秋から、先シーズン(2011−2012)のものが初放映される。それに先立って、オフシーズンの夏に、2006年から2010年のものが全部ガ〜〜〜〜〜ッと、毎日放映されている。という状況だったらしい、知らなかったけど。
 
どんなもんだろ?と、チラッと見てみた私は、ドーンとはまり、世界最高峰のオペラがWOWOWに次々と登場!メトロポリンタン・オペラの放送予定一覧にズラズラと並んでるのをほとんど見た!中身がとっても濃いし、月に1、2度くらい見るくらいがちょうどいいペースだろうけど、1ヶ月の間、毎日見た!見ぃーた!見た!見た!見た!
 
ほとんど3時間以上の放送ですぐにハードディスクを圧迫するから、かなり根性出して見続けた。でも、義務的にでも見始めれば、面白くてやめられなくなってしまうという、半端な中毒状態になってた。引っかっかったのは、舞台美術なんだろうなー。素晴らしすぎて、打ちのめされるくらい。空間の使い方はもちろん、細部の質感まで、たっかぁ〜い。高すぎます〜。
 
言葉がサッパリ分からないから、字幕を読んでいると豪華な読書のようなのも面白かった。テーマが作曲家のお国柄そのもので驚いた。要であろう音楽は、言葉が分からない私にとってBGMな感じだったのだけれど、毎日、毎日、暇さえれば聞いていたから、勝手に耳が肥えてしまった。なんかねぇ〜、音の許せる範囲が狭くなっちゃった感じー。まじやばいっすよ。
 
毎日見たから、どのオペラがどれなんだかごちゃごちゃになってしまった感じもするけれども、印象に残っていることを、なんとなく書いてみる。
 
一番印象に残った歌は、「ドニゼッティランメルモールのルチア》」のナタリー・デセイの狂乱のアリアだった。
 
プッチーニ 《西部の娘》」の中に、オペラ座の怪人とそっくりなメロディーがあって、軽くショック。
 
ムソルグスキー 《ボリス・ゴドゥノフ》」のルネ・パーペがかっこいい。
 
テノールで一番いいと思ったのは、「プッチーニマノン・レスコー》指揮:ジェイムズ・レヴァイン/演出:ジーナ・ラピンスキー 出演:カリタ・マッティラ」の時の解説でちょっとだけ流れた、プラシド・ドミンゴ
 
ワーグナートリスタンとイゾルデ》」、恋愛についてそんなに考えてもしょうがなくない?でも、そのように物事の本質を考えるのが好きだから、ドイツの車はいいのでしょうなぁ。日本車は本質というより親切で作ってるよねー。ああ、歌舞伎っぽい。イタリア車はイタリアのオペラそのものな感じだなぁ〜。
 
プッチーニ蝶々夫人》」、蝶々夫人がほとんど一人芝居状態で、気持ちの上げ下げがすご過ぎて、このソプラノは恐ろしく消耗しそう。と思った。
 
フンパーディンクヘンゼルとグレーテル》」は、子供向けらしいけど、グロ過ぎないかと思った。美術・衣装デザイナーはJ・マクファーレンJhon Macfarlane 。内容もグロいけど、このジョンさんの美術がすご過ぎて、グロさがより強烈になっていた。ジョンさんのデザイン画が紹介されていたけど、上手すぎる!!!と思った。頭の中にしかないものを、これほどのリアリティをもって描けるというのはかなりの衝撃だった。画面でちらっとで衝撃ということは、本物見たら鼻血が出る。と思う。
 
総合的に一番好きなのは、『「マスネ 《タイス》」指揮:ヘスス・ロペス=コボス/演出:ジョン・コックス ソプラノ:ルネ・フレミング』かなぁ〜。やはり、オペラも見た目がいいほうがいいよねぇ〜。あははは。
 
もともと、マリア・カラスのアリア集は好きで良く聞いてたんだけど、そういう名曲をオペラで見たら、しんどくてほとんど狂っているような状態で妄想が炸裂状態の歌だったと判明した。さっぱり分からないで長年聞いていたのね。楽しい場景をただ美しく歌ってるのかと思った。
 
ほーんと、なにかと面白かった。オペラの魅力は、華麗で複層構造なところかしらねぇ〜。9月から落ち着いて、ほんとのシーズン・イン!録音がだんだん良くなっているようだから、楽しみだわ〜。
 
実は、舞台系で私にほんとにシックリ来るのは、能なんだけどね〜。時々、WOWOWでやったりしてくれればいいのになぁ。と思うけど無理か。私の怒涛のオペラ・シーズンも一段落だから、NHKで能を探してみるかぁ。