金子みすず〜悲惨な生涯〜「こだまでしょうか?」

昨日、NHKで「こだまでしょうか?」の「金子みすず」の話をやってたけど、悲惨なんでビックリした。
 
2歳で、父が死亡。生活苦のため弟は養子に出される。
 
詩を児童文学雑誌に投稿して注目されるも、時代的にプロの詩人となることにも積極的になれず、親の勧めにより結婚する。
 
優秀な本屋の店員だったはずの夫は遊郭通いが大好き、失業、働かず。
 
娘が産まれるが、夫は相変わらずで、さらに夫に淋病をうつされる。その病に苦しんでいる時に出来たのが、「こだまでしょうか?」の詩。
 
夫の癇癪により、詩作も禁じられると、娘の幼児語をひたすらノートに記録する。
 
親が離婚させて、実家に戻るが、夫に子供を返せと言われ、睡眠薬で自殺。その頃は母親に親権がなかったらしい。
 
NHKでは言ってなかったから、自殺しても娘は夫に引き取られて、無駄死だったのかしら?
 
救いだったのは、アート心のある弟がいたこと。生前も助けられただろうけど、みすずの死後もみすずの詩を出版しようとがんばる。でも、時代に恵まれず、失敗。
 
結局、世に知られるようになったのは、バブル後。朝日新聞天声人語に紹介されたことがきっかけで、教科書にも採用される。そして、震災ですべての国民の知るところとなったのねぇ〜。
 
悲惨さにもびっくりしたけど、「こだまでしょうか?」の詩のことを、インタビューされている人たちが、「爽やか」とか明るい感じで感じ取っていたことが驚きだった。私は、ちょっと暗いというか、美しい短調の曲のような響きがある詩だと思っていたから。
 
番組を見てからだと、この詩は「諦め続けたみすずの祈りの歌」なんだろうと思える。「いいえ、だれでも!」と断定しつつも、「誰でもじゃないかなぁ。」と分かっていたんだろうなぁ〜。でも、みずすの基本の性質は明るかったような気がするから、ちょうどいい具合になったのよね。