前回の「にじいろジーン」、なんとなく録画して、今頃見てみた。「唯がいぐがらなぁ」は大抵、農家のお手伝いだけれど、今回は珍しくお商売の所だ。そばえ庵という暖簾がかかっている。今週のおばあちゃん、「米田(まいた)かよ」さんは一人で蕎麦屋さんをやっている。唯さんが年をたずねると、
   
「まだ、76歳。」
 
と答えた。なかなかいい感じの人だ。お店を出したきっかけは、地域の物産コーナーに出店した時に、
 
「こんな美味しいおそばは、どこに行けば食べられるんですか?」
 
と言われたからだそうだ。お金のためではない感じがほんとにしている。
 
そばは10割で打つ。かよさんはそばを打つリズムで美味しさが違うと言う。確かに美味しそうな音がする。そして、そば粉は、
 
「自分で作っている。だから美味しい。畑があるからな。」
 
当然なんだけれども、やるのは大変ということをさらっと言う。そば打ちの前に映ったシーンでは、箸休めのふきも自分でとって、手間隙かけておいしそうな一品に仕上げていた。何気なくすばらしい人だ。さらに、驚いたことに醤油も手作りしていた。この地域では、かつてはどの家でもそうだったらしいけれども、今の時代にやり続けているとは本当に驚かされた。
 
受け継がれてきた知恵を次の世代に伝えたいという思いがあって続けているそうだ。そういったことを何回か口にしていた。そういうことを言う場合、受け継がない世代に対して、非難がましく、嫌味っぽくなると思うけれども、それも全くない。こういう人が打つそばは本当に美味しいのだろうなと思った。
 
こういう番組ではスタジオでそばを食べることになるのだろうけれども、それもなかった。美味しいそばにならないからだそうだ。まったく、筋が通った人である。